わが抒情詩
合唱団に入っている友人から、良い歌を教えてもらった。
【合唱曲】千原英喜 わが抒情詩(一箕中学校・県大会) - YouTube
作詞はいわき市の草野心平。終戦当時の、荒れ果てた都会の様子を詩に記して、千原英喜が合唱用に一部を抜粋して生まれたものだそう。
個人的な印象だけど、原詩は辺りがただ荒れ果てて真っ暗で、なんだこれは、と。こんな所にいる自分は本当に「人」なのか。人間としての愛が、人としての在り方が欲しいと、心の餓えと渇きに満ちている。だけども曲の感じは、その要素を少し抑え、作家性でもあるどこか漂う安閑さを最大まで引き出そうと、とても優しい歌になっている。
歌詞は「真っ暗」となっているけれど、曲を聴くと辺りは完全な闇ではなく、夜になる一歩手前のあの感じ、夏休みの18時半頃。帰り道、辺りはまだ惰性の明るさがあるのだけれど、見るもの全てがシルエットになっている、あの感じのよう。
先のリンクは、福島県の強豪校の中学生が、2012年に歌ったもの。 多分、当時の自分がリアルタイムで聞いていたなら、戦争と震災と重ね合わせ、どんなに荒れ果ててもなんとかなるんだ!頑張れ! と激励の歌として捉えて、深く深く感動したと思う。
2016年の自分にとっては「色んなことがあるけれど、お前の人生だ。まぁのんびりいきましょうや」という歌に聞こえ、ただただ落ち着く。